外国人とのコミュニケーションのポイント

外国人とのコミュニケーションのポイント

来日時日本語をほとんど知らなかった研修生がAOTSでの一般研修修了時(6週間/13週間)にどの程度話せるようになるのか、 またそのような研修生に対して技術研修を指導する際にどう対応すればよいのかという、研修生と日本語で話す際の留意点がまとめてあります。

日本語で円滑なコミュニケーションを図るためのポイント

日本語能力が十分でない外国人・研修生とコミュニケーションを図るためには、 初めの2、3ヶ月は特に以下の点に留意する必要があります。

  • 日頃から笑顔や挨拶を欠かさない(相手の不安感を和らげ、話すきっかけとなる)
  • 相手の国や地域、ことばや生活、文化に興味を持ち、知る努力をする
  • ゆっくりはっきり話す
  • 「です・ます体」の簡単で丁寧な言葉を使う
    例:「行きますか」「寒いですか」(くだけた表現「行くの?」、敬語表現「いらっしゃっていただけますか」等は避ける)
  • やさしい言葉を使う 
    例:「10分休憩後、仕事を開始します → 10分休んでから、仕事を始めます」
    (漢語より和語を用いる。ただし、中国の人は漢語のほうが分かる場合もある)
  • 分からない言葉や表現があったら、類似のことばや表現に言い換える
  • 和製英語(パソコン)、略語(インフレ)、外来語(ラジオ)等の使用に注意する (原語の発音との違い、意味のずれ等があり通じないことがある)
  • 簡単で短い文で話す。
     例:「うちは横浜です。駅から近いです。」「ここは危ないです。ですから、入らないでください。」 (なるべく長文や複文等を避ける)
  • 共通語で話す(方言や地域特有の言葉は学習した言葉や表現と異なるので分からない)
  • 意味のないことばを入れない
    例:「えーとね」「まあ、何ちゅうか」
  • 理解を助ける動作や身振り、絵を描く等の補助手段を用いて話す (国によって同じ動作が違う意味になることがあるので注意する)
  • 中国の人には筆談を利用する(同じ漢字でも意味のずれがある場合があるので注意する)
  • 相手の言語に応じた辞書を用意する
  • 相手が理解したかどうか確認しながら話す。 その際「わかりましたか」を使わないで、実際にやらせたり、話した内容をもう一度言ってもらったりして確認する
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さらなる上達のために日本語を使ってコミュニケーションさせる

日本語で話しかけて日本語で話す機会を与える

学んだことばや文型も実際に会話の中で使わなければ、知識だけのものになってしまいます。 話のやり取りや理解に時間がかかって面倒なこともありますが、 外国人・研修生が分かるやさしい日本語で話しかけて、できるだけ日本語で話すよう仕向けてください。

忍耐強く聞いて、間違いを恐れず積極的に話すよう勇気づける

間違いを恥ずかしがり、また通じないことを恐れて日本語で話さない外国人・研修生もいます。 彼らの日本語が分かりにくくても忍耐強く聞いて分かろうとする姿勢を見せると、外国人・研修生も話しかけるようになってきます。

さらに、間違えてもよいからあらゆる機会を捉えて積極的に日本語で話すよう奨励してください。 実際に話して慣れる、それ以外に会話の上達の近道はありません。

日本人と日本語で交流する場を多く設ける

あらゆる機会を捉えて日本語で話すようにとはいっても、 研修時以外は日本語を話す機会が少ないのが現状です。 日本人との交流の場を多く設けて日本語で話す機会を作ってください。それが楽しく話しながら日本人と研修生が相互に理解し学べるものであればなお結構です。

同世代の日本人が研修生一人一人の生活や実地研修での相談役となり、本音で話し、 互いに学べるような体制が可能なら理想的です。

コミュニケーション時に注意すること

誤解を招く間違いなどは直す

発音や文法の間違いを指摘するタイミングは難しいものです。 理解に差し支えのない細かい間違いを話の腰を折っていちいち直されると、間違いを恐れて話せなくなります。しかし本当に気になる間違い、そのままだと誤解を生んでしまうような間違いは話し終えた後で指摘してください。

知らない言葉や表現はメモを取って覚えるよう指導する

覚えてもらいたい言葉などはメモを取るように指導してください。毎日出てくる多くの知らない言葉をその都度覚えきれるものではありません。できれば自国語の訳をつけた本人なりの単語帳を作るよう指導すると、後々まで役に立つはずです。

先輩が母国語対応で作った技術用語や研修で使う言葉の単語帳を、代々来日する研修生が利用しさらに言葉を加えて充実させている例もあります。

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グローバル事業部 日本語教育センター(JLTC)

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