2022年2月9日(水)、国際シンポジウム「フランスの有期雇用契約法制度-若年層雇用と新型コロナの影響 日本との比較-」をオンラインで実施しました。
日本では有期雇用労働者の割合は4割を超え、その割合は一貫して上がり続けています。この傾向は多様な働き方を選択した結果として好意的にとらえる人もいる一方で、収入の格差などから労働者の二極化を招くとして批判をする人もいるなど様々な意見があります。
フランスでは有期雇用労働者の数は比較的少なく、2割を下回っています。フランスでは労働者の保護および労働生産性の向上という観点から労働者は基本的に無期雇用契約(CDI)での雇用となっており、有期雇用契約(CDD)は時期、条件共に限定的となっています。また使用者は両契約で働く者を「同一労働・同一賃金」で雇用する義務を負います。このように日本とフランスでは有期雇用契約に関して考え方及び制度において違いがあります。
本シンポジウムでは有期雇用契約に関して日本とは異なる制度を持つフランスから有識者をお招きし、講演を行うとともに、日本とフランスの有期雇用労働に造詣の深い方々と議論を行い、今後の日本の有期労働者の待遇や取扱いに関する政策について考えました。
また、フランスでは有期雇用契約は若年労働者の試用期間のように扱われている側面があるためその点にも触れ、加えてフランスおよび日本において新型コロナが有期雇用労働に及ぼした影響を確認しました。
パネルディスカッションでは事前にいただいていた参加者の皆様からの質問に対して答える形で進み、様々な観点から議論をしました。
日時 | 2022年2月9日(水) 16:00~20:30 | |||||
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実施方法 | オンライン(Zoomウェビナー) | |||||
プログラム |
【第1部】 基調講演及び解説
(講義の詳細記録は現在作成中です。) |
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【第2部】 パネルディスカッション: パネルディスカッションは参加者の皆様から事前にいただいていた質問に答える形で実施をしました。
モデレーター: パネリスト: (パネルディスカッションの詳細記録は現在作成中です。) |
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講師陣 |
【講演】 パスカル ロキエック 氏 フランスの労働法研究の第一人者として活躍している。労働・雇用関連法を専門とし、 【その他の主要な役職】 【最近の著書】 ・Contrat et pouvoir, LGDJ, 2022 【最近の発表論文】 |
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ジェローム ゴーティエ 氏 フランスの労働経済について多くの著書・論文を発表し、国際的な活動も多く行っている。 【その他の主な役職】 Pôle Emploi(フランス国立公共職業安定所)科学評議会(Conseil Scientifique)議長
【最近の活動】
【最近の著書】 Books ・Gautié J. (2020), Salaire minimum et emploi, Les Presses de Sciences Po. (“Best |
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細川 良 氏 専門は労働法。主に日本、フランスの労働法および労使関係を研究。 【略歴】 主要著書 『ファーストステップ労働法』(共著/エイデル研究所、2020年) |
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島田 陽一 氏 日本の労働法研究の第一人者であり、近年では「同一賃金同一労働」「有期雇用契約」 【略歴】 【論文著書】 |
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【パネリスト】 【その他の主要な役職】 ILOでの勤務経験が長く労働経済、労使関係の国際比較に詳しい。現在は 1964年早稲田大学政治経済学部卒業 |