『従業員と手を携えて共に当社を成長させていきたい』 ~ミャンマーの旅行会社社長に聞く (2/2)
2017年5月19日(金)10:00
(Myanmar/ミャンマー)
※本記事は2回に分けて掲載します。
本記事は第2話の掲載分です。
<第1話はこちら>
Nature Sunshine Travel & Tours
Ms. Min Min Myitzu (Managing Director)
Myanmar
HIDAが提供する研修プログラムには、新興国を含む海外諸国から多くのビジネスパーソンが参加しています。対象参加者の職位は研修プログラムによって異なりますが、経営者層に向けたプログラムも提供しています。
今回、ミャンマーで旅行手配やMICEアレンジメントを提供する旅行会社の社長にお話しをうかがいました。
-貴社ビジネスが属する、自国におけるマーケットの状況について教えてください。
-日本を含め、他国と自国における商慣習には違いがあると思います。自国での働き方に関する考え方、業務文化、国民性など、他国との際立った違いがあればご紹介ください。
-自社人材を育成していく上で、どのような点に注意を払って取り組んでいますか?
人材育成のために当社が行っている取り組みは以下の通りです。
- 従業員が彼らのタスクを効率的、かつ効果的に行うために必要な十分な知識と情報を得られるよう、トレーニングと能力向上に重点を置くこと
- 明確な人事考課制度を策定し、従業員皆がそれを理解できるようにすること
- 状況に応じたルールの柔軟な適用を担保すること
- モチベーションを高めるための報奨制度を導入すること
効率的な人材育成のために、従業員には様々なトレーニングコースに参加してもらうようにしています。ヤンゴンにはミャンマー観光省や旅行業界団体、また民間企業が運営している旅行業界の従業員向けのトレーニングセンターがいくつも存在し、スキルアップのためのおもに2か月程度の期間のコースを提供しています。現在、当社からは1名がチケッティングを学ぶコースに参加しています。このような、旅行業界に身をおくプロフェッショナルとしてのスキルだけでなく、英語能力も非常に重要だと考えています。英語のトレーニングコースも数多く提供されていますので、若い従業員にこうした英語コースに参加してもらうことを検討しています。社内ではOJTに重点を置いており、シニアマネージャーが後輩を指導し育てています。
-最後に、日本や日本企業についてどのような印象をお持ちでしょうか。日本に来て驚いた事、感動したこと等ありましたら教えてください。
日本は東京という大都会を擁する、とても発展した国という印象を受けました。日本人は落ち着いていて礼儀正しく、親切でフレンドリーでした。
日本企業については、今回の訪日で日本企業の成功の重要な秘訣に気づくことができました。従業員同士の相互尊重、企業が従業員を最も価値の高い資産とみなす考え方、素晴らしい企業理念と経営方針、継続的な発展のためのカイゼンの実践、工場やオフィスを綺麗に保つ5Sの実践、時間厳守の徹底等が、日本企業を成功に導いたと思います。今では日本はICTや電機産業で世界的に見て主導的な役割を果たしています。
日本でのコース期間中、多くの座学や企業見学を行うとともに、自ら色々な場所をめぐり、様々な経験をいたしましたが、特に印象的だったのは、見学先の一つであったトヨタ自動車の工場と、自由時間に訪れた富士山です。
トヨタ自動車の工場においては、組立ラインにおける従業員の働き方、ジャストインタイム、トータル品質マネジメントツールを用いた品質管理、5S、カイゼンの実践を見学する機会に恵まれました。こうした実践は私がかつて経済学を学んでいた際に勉強していた理論を想起させるもので、理論が現実に行われている様子を見ることにより、私の頭の中で机上の理論と現実世界での実践の間がしっかり繋がったと感じました。とても素晴らしい体験だったと思います。
もう一点、私が日本滞在中に魅せられたのは、富士山の美しさです。コース期間中の週末、私の参加したコース(ミャンマー企業経営研修コース: MYCM)の研修生全員で、日本の象徴であるこの山を訪れました。これまでに富士山の写真を見たことはありましたが、実際に目の前にすると、写真とは本当に違っていると感じました。写真も動画も、富士山の優雅で美しいたたずまいを完璧に描写することは不可能だと思います。山頂に雪を頂く富士山が太陽の光に包まれるさまは、本当に素晴らしい景色でした。研修生皆がたくさんの写真やビデオを撮影し、この様子を記録しようとしましたが、この景色は心に焼き付けておくのが一番よいと感じました。私はそれを生涯忘れることはないでしょう。
ご協力ありがとうございました。
※本記事は2回に分けて掲載します。
本記事は第2話の掲載分です。
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