『従業員と手を携えて共に当社を成長させていきたい』 ~ミャンマーの旅行会社社長に聞く (1/2)
2017年5月12日(金)12:00
(Myanmar/ミャンマー)
※本記事は2回に分けて掲載します。
本記事は第1話の掲載分です。
<第2話はこちら>
Nature Sunshine Travel & Tours
Ms. Min Min Myitzu (Managing Director)
Myanmar
HIDAが提供する研修プログラムには、新興国を含む海外諸国から多くのビジネスパーソンが参加しています。対象参加者の職位は研修プログラムによって異なりますが、経営者層に向けたプログラムも提供しています。
今回、ミャンマーで旅行手配やMICEアレンジメントを提供する旅行会社の社長にお話しをうかがいました。
-まず初めに、御社の会社概要についてご紹介ください。
-会社を経営していく上で、どのような事を特に大切にされていますか。理念や方針など、大切にしていることを教えて下さい。
- お客様のご要望を理解すること
- 我々のサービスを向上させる方法を常に模索すること
- お客様のアドバイスやフィードバックに耳を傾けること
- お客様に素晴らしい旅を提供しつつ、環境にも配慮すること
-自社事業を更に発展・成長して行く上で、成長の妨げとなっている課題はありますか?またその“課題”に対し、どのような手を打つべきとお考えですか?
我々の直面する課題は、以下の3点です。
- 財務、また経営の側面で、当社をより発展させるための知識と経験が不十分であること
- 経験豊富な人材の維持が難しいこと
- より広範なビジネスネットワークを構築する能力が不十分であること
転職は旅行業界全体にとって大きな課題です。経験豊富な人材が不足しているため旅行会社の間で人材の奪い合いが起こっており、そのため優秀な人材はより高い給与や待遇を求めて転職を繰り返す傾向があります。特に大きな問題は、例えばある企業の従業員がそこで何か新しいスキル等を身に付けると、それを大きな武器として別の企業に転職してしまうことです。
上記の問題を解決するため、私は以下の点に重点を置いた取り組みを進めています。
- コーポレートマネジメントについてより深く学ぶこと
- 大企業の成功例を参考にすること
- 効率的な人事制度を発展させること
また、従業員の転職を防ぐため、私は従業員とともに働き相互に信頼関係を築きあげられるよう努力しています。私としては、私と従業員の関係を、雇い主と従業員という一方通行の関係であるとは思っておりません。それよりも従業員は私の対等なビジネスパートナーであると考え、一緒にお互いにとっての利益を追求できるようなwin-winの関係にしていきたいと考えています。もし従業員が何か困難に直面したり問題を抱えたりした場合には、私はその問題を解決するため彼らに手をさしのべるでしょう。将来的には、従業員とビジネスオーナーシップを共有することも考えており、その心積もりはすでに従業員たちに伝えています。つまり、一定の期間共に働いた後に彼らが望めば、彼らが当社の株主となることも可能だということです。私は彼らと手を携え、共に当社を成長させていくことを望んでいます。
-現在の海外ビジネス展開状況を教えてください。
当社は中小企業であり、今後数十年間を経て大きく成長していく余地があります。また、観光業自体も成長を続けており、世界で最も成長の早い経済部門の一つに数えられます。現在、当社はタイ・バンコクやシンガポール、ベトナム等の旅行会社と提携していますが、まだ日本企業との関係はありません。提携先企業の中には、当該国に旅行するミャンマー人旅行者のためにツアーをアレンジするインバウンドツアー催行企業もあれば、自国の旅行者がミャンマーに旅行する際その旅をアレンジする企業もあります。後者に対しては、ミャンマー国内の旅行手配を当社が行います。
-今後、更なる海外ビジネス展開をお考えですか?また海外ビジネス展開を成功に導くために、貴社が大切にしている事、重視したい事は何でしょうか?
はい。当社は日に日に成長を続けており、現在はシンガポール、ベトナム、タイといったASEAN諸国への事業拡大を試みています。この事業拡大により、我々は海外での事業展開の経験を得ることができ、それが新しい形でのビジネスの展開につながっていく可能性があります。そうした経験をもとに、近い将来、日本へも事業を拡大できればと考えています。
当社の現況を鑑みると、国外へ事業を拡大するためにまず、信頼できるビジネスパートナーを見つけ、よい関係を構築することが必要です。国外の信頼できるパートナーと業務提携ができれば、当社が単独では数年かけないと得ることのできない知識や経験を共有することが可能です。ビジネスやサービスの質は直接お客様の満足度に影響し、また次のビジネスにつながるかを決定する要因ですから、特に重視しています。
※本記事は2回に分けて掲載します。
本記事は第1話の掲載分です。
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