『我々のビジネスをさらに成長させるためには世界に向けて事業を拡大し、ダイナミックな機会に満ちた市場に参入していくことが必要』 ~自動車産業を主として多角的な事業を展開するエジプト企業役員に聞く (1/2)
2017年4月7日(金)13:00
(Egypt/エジプト)
※本記事は2回に分けて掲載します。
本記事は第1話の掲載分です。
<第2話はこちら>
Seoudi Investment Group (SIG)
Mr. Maged Mahmoud Mohamed Ahmed (Corporate Planning Senior Director)
Egypt
HIDAが提供する研修プログラムには、新興国を含む海外諸国から多くのビジネスパーソンが参加しています。対象参加者の職位は研修プログラムによって異なりますが、経営者層に向けたプログラムも提供しています。
今回、エジプトで自動車関連事業を中心に様々な分野でプロジェクト実施・投資を行う企業の役員にお話しをうかがいました。
-まず初めに、御社の会社概要についてご紹介ください。
-会社を経営していく上で、どのような事を特に大切にされていますか。理念や方針など、大切にしていることを教えて下さい。
-自社事業を更に発展・成長して行く上で、成長の妨げとなっている課題はありますか?またその“課題”に対し、どのような手を打つべきとお考えですか?
エジプト経済の現況が我々の直面する問題です。エジプト経済は、2011年のいわゆる「エジプト革命」とそれにともなう反政府デモや大統領選挙をきっかけに落ち込みました。その後いくつかの大統領選を経て状況は落ち着きを見せはじめたものの、未だに不安定な政治情勢は購買力や海外からの投資に影をおとしており、状況はさらに悪化しています。エジプトの通貨エジプト・ポンドは変動相場制への移行による通貨切り下げのため、その価値が過去2年間で65%以上も下落しました。現在でも深刻な外貨不足のため、エジプト・ポンドは安定せず、日々上がったり下がったりを繰り返しています。結果として、エジプトの国内市場は2016年以来、20%も縮小してしまいました。
この状況に対処するため、当社は特に自動車関連製品と衣料品を中心として、主力製品の輸出に力を入れ始めました。現在、自動車関連製品についてはアフリカと地中海沿岸諸国の市場をターゲットとしており、また衣料品は主にヨーロッパに輸出しています。自社製品を輸出する戦略により、エジプト経済が困難な状況にあっても、外貨獲得が可能となります。また、自動車関連製品と衣料品に注力することは、例えば新しい工場の建設等につながり、ひいてはエジプト経済の要である製造業の発展を後押しすることにもなります。製造業はその他の多くの産業と結びついている裾野の広い産業であるため、工場建設や製品生産量の増加を通じて関連他社を応援することもできます。現在、我々は衣料品の分野で、靴下と下着の新しい生産ライン開設に向けて動いています。
-現在の海外ビジネス展開状況を教えてください。
当社はスズキや日産をはじめとしていくつかの日本企業と長期的な関係を築いています。また、それに加え、同じような関係を三菱フォークリフト、コベルコ、ユニクロと構築するため交渉を進めています。
現時点で当社は日本だけでなくスペイン、イタリア、スーダン、エチオピア、リビアといった国々の企業とビジネスパートナーとして業務提携を行っており、今後もこうしたパートナーとはプロフェッショナルとして関係を維持していくことになるでしょう。今後の計画としては、エジプト経済の状況や通貨切り下げなどのエジプト政府の経済政策への対応をはかるため、特に自動車関連製品と衣料品の分野でこれらの国々への輸出を増加させていきたいと考えています。
※本記事は2回に分けて掲載します。
本記事は第1話の掲載分です。
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