『我々は情報格差(デジタル・デバイド)の解決に誇りを持って取り組んでいます』 ~パキスタンの一般・企業向け情報通信関連企業マネージャーに聞く
2017年2月28日(火)16:20
(Pakistan/パキスタン)
PMCL Mobilink
Mr. Waleed Pervaiz (Manager)
Pakistan
HIDAが提供する研修プログラムには、新興国を含む海外諸国から多くのビジネスパーソンが参加しています。対象参加者の職位は研修プログラムによって異なりますが、経営者層に向けたプログラムも提供しています。
今回、パキスタンで一般向け・企業向けに音声通話サービス、データ通信サービス等を提供する情報通信関連企業のマネージャーにお話しをうかがいました。
-まず初めに、御社の会社概要についてご紹介ください。
-自社事業を更に発展・成長して行く上で、成長の妨げとなっている課題はありますか?またその“課題”に対し、どのような手を打つべきとお考えですか?
-現在の海外ビジネス展開状況を教えてください。
当社は通信事業分野における国際的な大企業、ヴィンペルコムの子会社です。ヴィンペルコムは現時点でロシア、イタリア、アルジェリア、パキスタン、ウズベキスタン、カザフスタン、ウクライナ、バングラデシュ、キルギス、タジキスタン、アルメニア、ジョージア(グルジア)、ラオスの13か国で通信サービスを行っています。実際には、「ビーライン」、「キヴスター」、「ウィンド」、当社「モブリンク」、「バングラリンク」、そして「ジェジー」といった企業がブランドとして各国でヴィンペルコムの下、事業を展開しています。現在世界で最もダイナミックな市場の中で、ヴィンペルコムは20億人を超える顧客に音声通話、固定ブロードバンド、データ・デジタルサービスを提供しています。技術のパイオニアとしてヴィンペルコムが持つ、様々な変化を経ても変わらない強みは、個々かつすべての顧客がデジタルの世界にアクセスできるようにすることに注力していく原動力だと考えています。
-今後、更なる海外ビジネス展開をお考えですか?また海外ビジネス展開を成功に導くために、貴社が大切にしている事、重視したい事は何でしょうか?
当社の親会社であるヴィンペルコムはすでにグローバルに事業を展開しており、今でもその規模は拡大し続けています。我々モビリンクとしては、パキスタン市場で培ったノウハウにもとづく知識が強みだと考えています。
我々は顧客に対し、デジタル世界を思うように進んでいける新しい機会を提供するというビジョンを原動力に事業を展開しているテレコム企業です。現段階では音声通話、データ通信、さらにブロードバンドでパキスタン市場に力を入れていく方針です。当社はすでに飽和状態にあるパキスタン市場で、継続的にインフラとサービスの向上に取り組んでいます。現在、パキスタンには5つのテレコム企業が事業を展開していますが、他の国と同様、企業合併や買収の動きが広がっています。そのため、競争はより激しくなり、多額の投資が必要となってきています。日本市場への投資について言えば、投資に先立って、我々はまず現在の市場概況やトレンド、また日本企業との最適な関わり方を把握する必要があると思います。明らかに日本市場は素晴らしいチャンスに満ちていますから、将来的に市場調査を進めたいと考えています。
人材育成を行っていく上で、私たちは以下の3点に重点を置いています。一つ目は、意思決定の脱中心化を含む、従業員への権限委譲です。従業員には意思決定を自ら行うとともに、それにともなうリスクをとることも推奨しています。二点目は、風通しのよさ、信頼、誠実さといった価値を高めていくことです。また最後に、将来性のある従業員の質的な成長も重視しています。
-最後に、この度のHIDAプログラムに参加してどのような成果が得られたとお考えですか。今回の経験がどのように貴社の将来の発展に寄与すると思われるか、お聞かせください。
はじめに、我々が直面している課題を整理させてください。当社は6,000人の従業員を擁する巨大企業であり、とても優秀な人材が当社で働いてくれています。ただしこれまで、彼らは横のつながりなしに自身の職務にのみ集中しているという問題がありました。そのような環境では、才能を持つ多くの個人が集まっていても、新しいアイデアを生み出すプロセスを活性化させることが難しいのです。この状況の解決を図るため、今回私がHIDAのプログラムに参加しました。我々の目標は、従業員と互いに協力し合って新しい試みにチャレンジしていくことです。また、従業員には権限と責任を担ってもらうとともに、自らリスクをとったり意思決定を行ったりしてもらえる環境を作りたいと思っています。我々は従業員の間でお互いに協力していくことを推奨してきました。これからもそうしていくことで、従業員が新しいアイデアをお互いに語り、また我々管理職に提案してもらえるようにしていきたいと考えています。