『顧客が明確に求めているものや、潜在的に求めているものを満足させることが重要』 ~ケニアの装飾用塗料や工業用塗料、各種表面への印刷インキ等の製造会社社長に聞く
2017年1月5日(木)09:16
(Kenya/ケニア)
Ciandci社
Mr. Odera Chrispine Ouma (Managing Director)
Kenya
HIDAが提供する研修プログラムには、新興国を含む海外諸国から多くのビジネスパーソンが参加しています。対象参加者の職位は研修プログラムによって異なりますが、経営者層に向けたプログラムも提供しています。
今回、ケニアで主に高品質な装飾用塗料などにおいて、ニッチ製品の製造を手がける参加者にお話しをうかがいました。
-まず初めに、御社の会社概要についてご紹介ください。
-自社事業を更に発展・成長して行く上で、成長の妨げとなっている課題はありますか?またその“課題”に対し、どのような手を打つべきとお考えですか?
-現在の海外ビジネス展開状況を教えてください。
インドや中国、アメリカやヨーロッパからいつくかの原料を輸入してはいるものの、現時点ではグローバルというような、他の海外企業との関係性はありません。しかし、東アフリカ共同体に属する協力的な企業との技術協力や相互関係については、是非協議していきたいと考えています。日本について言えば、日本の品質は申し分ないことで知られていますので、日本のパートナー企業については簡単に候補者企業リストを作れると思います。
-今後、更なる海外ビジネス展開をお考えですか?また海外ビジネス展開を成功に導くために、貴社が大切にしている事、重視したい事は何でしょうか?
将来的には間違いなく、我々は自社ビジネスを海外展開していこうと計画しています。当然ながら、我々が属する東アフリカ地域でまず展開を始め、その後アフリカ全土に展開していきたいです。日本を含む他の海外市場への展開を考えるのはその後です。しかしながら、我々のビジネスの成長のために、日本企業から技術協力や資金協力を得られれば、と思っています。
現在のところ、成長のための資本確保と、適正な製品を製造するための正しい技術や技能の獲得を重要視しています。
ケニアにおける塗装業は上位層に大きく集中していて、およそ3社の主要企業が市場の約50%を占めています。下位層については、残りの約50%の市場シェアをおよそ100社で競合していて、分裂している状況です。従来型製品に関する限り、この業界は成熟市場にあるといえます。しかし建築家・設計士には今、特別効果塗装を求める新しい傾向が見られつつあります。特殊効果市場は依然として若く、成長期にあります。市場が成熟している従来的な装飾用製品での競争では、共倒れになってしまいます。一方で、この特殊効果塗装分野においてはまだ、企業がさらに参入できる余地があるのです。
当社はニッチな製品を作って顧客に提供していますので、泥まみれの競争にそこまで関与していません。従来型製品市場への参入障壁はかなり高いですが、同時に特殊製品市場については低いです。塗装業におけるインク市場も同様の傾向があります。
-自社人材を育成していく上で、どのような点に注意を払って取り組んでいますか?
繰り返しになりますが、我々はニッチな製品を提供していて、我々の主な分野は特殊製品となります。我々の課題は、当社事業の成長の手助けとなる適切な人材及び技術を獲得することです。我々はこの特殊市場で、当社が効果的に事業を行っていく手助けとなるような、特殊技術を持った人々を探しています。
-最後に、日本や日本企業についてどのような印象をお持ちでしょうか。日本に来て驚いた事、感動したこと等ありましたら教えてください。
日本と日本企業には深く感銘を受けました。日本はとても秩序があり、進んでいる国です。また、とりわけ東京において、いかに効率よく電車システムが機能しているかという点にとても驚きました。駅に行くといつも、電車を乗るのに数分と待たされた日はありませんでした。また、皆がいかに時間に几帳面であるか、日本の文化についてとてもよく分かりました。時間はとても貴重な資源です。日本は、経済発展のためにそれを上手く使ってきたのだと思います。
日本企業の先を見据えるやり方は、我々アフリカ大陸のものとは大きく違います。彼らは短期利益で物事を考えておらず、長期的な将来を見据えて考えていると、私は気付きました。ある企業を見学していたときに、本当に感動した出来事が一つありました。その企業では、私はこれまでヨーロッパ諸国、アジア、アメリカ、アフリカ諸国、中東と多くの国々に行ったことがありますが、どの国でも見たことのないことを見ることができました。その企業は、普通では有給職員としての雇用が難しいような障害のある方のために設立されていました。そのモットーは「施しではなく機会を」であり、本当に感動しました。