『国内の事業規模は今後数年間、全般的に拡大ペースが速まる見込み』 ~インドネシアの自動車産業等向けエンジニアリング・ソリューション企業社長に聞く
2017年1月26日(木)10:00
(Indonesia/インドネシア)
PT. Solusi Rekatama Makmur
Mr. Vincentius Lauw (Managing Director)
Indonesia
HIDAが提供する研修プログラムには、新興国を含む海外諸国から多くのビジネスパーソンが参加しています。対象参加者の職位は研修プログラムによって異なりますが、経営者層に向けたプログラムも提供しています。
今回、インドネシアで自動車産業や一般産業等を対象にエンジニアリング・ソリューションの提供を手がける企業を営む参加者にお話しをうかがいました。
-まず初めに、御社の会社概要についてご紹介ください。
- 顧客満足
- 継続的改善
- チームメンバー全員が積極的な考え方をもつよう努力すること
- 安全性、品質、スケジュール
- 緊急時における24時間電話サービスによる顧客対応
- 人的資本の開発
-自社事業を更に発展・成長して行く上で、成長の妨げとなっている課題はありますか?またその“課題”に対し、どのような手を打つべきとお考えですか?
人件費の上昇により、手動作業からロボットおよび自動システム・ソリューションへと軸足を移すこと。
効率性や省エネ性能を高める新技術、環境に配慮したソリューションに対する需要の増加。
顧客からの徹底的なコスト削減要求。
-現在の海外ビジネス展開状況を教えてください。
我々は、2004年以降の5年間にダイハツ工業株式会社およびトヨタ自動車株式会社に塗料循環システムを提供することに成功し、その後、同様の成功を多数収めました。こうした業績により、株式会社大気社およびトリニティ工業株式会社のような世界的な塗料設備製造・施工業者からの信頼を得ることとなり、当社は、それら企業から優先度の高いビジネス・パートナー/ベンダーとして認められました。当社は、日本の顧客企業のほかにフランス、ドイツ、英国、米国等とも取引関係があります。
-今後、更なる海外ビジネス展開をお考えですか?また海外ビジネス展開を成功に導くために、貴社が大切にしている事、重視したい事は何でしょうか?
はい、当社の事業を国内全域および海外に展開したいと考えています。
人材の開発と強化に加え、その国のビジネス文化を理解することが大変重要なことだと思います。当社は、価格競争力を高めるために、新技術システムに関する知識を従業員に伝える必要があります。
国内の事業規模は今後数年間、全般的に拡大ペースが速まると見込まれますが、その背景には、全国的なインフラ・プロジェクトの大規模開発、それらのプロジェクトを実施するための政府および民間企業の資金調達力、事業に関連する規制の緩和があります。こうした状況のもと、我々の産業も相応の恩恵を受けるだろうと予測しています。
-日本を含め、他国と自国における商慣習には違いがあると思います。自国での働き方に関する考え方、業務文化、国民性など、他国との際立った違いがあればご紹介ください。
私の個人的な見解では、インドネシア人は友好的な人々であり、ビジネスにおいては顧客との良好な関係が重要です。一般的に言って、大半の従業員は仕事をする際にあまり深く考えず、どちらかと言えば安易な方法を選ぶ傾向があります。自己改善は稀なことだと言えます。
-自社人材を育成していく上で、どのような点に注意を払って取り組んでいますか?
人材開発は継続的な過程であり、また専門的な人的資本は企業の成長と収益性にとって重要な資産です。
中小企業にとっての課題は、いかに有能な人材に応募してもらうかという点です。なぜなら、優秀な候補者の大半は、大企業や有名企業に応募するからです。その結果、有能な応募者は限られてしまうのです。とは言え、我々は、それぞれの地位においてより大きな責任を担う適任者を見いだすため、社内の人々と緊密に業務を行っています。また、ヘッドハンティングにより優れた人材を引き抜くことにも全力で取り組んでいます。
-最後に、日本や日本企業についてどのような印象をお持ちでしょうか。日本に来て驚いた事、感動したこと等ありましたら教えてください。
極めて優れたインフラと清潔な環境を備えた高度先進国。それが私の日本に対する印象です。また、私が実感したのは、日本人は丁寧で、進んで人を助け、責任感があり、規律正しく、完全志向や所属意識が強く、建設的であるということです。
日本企業については、顧客の満足を極めて重視しているとの印象を受けました。それは、高品質、高い生産性、納期短縮、ムダの最小化に向け、自動化とジャストインタイムを2本柱とする顧客本位のトヨタ生産方式に見ることができます。
人材開発の考えに関しては、私は、継続的改善、良い思考、良い製品、品質、効率を通じ、最初に人材を育成していることに気付きました。日本人従業員は、仕事場で複数の業務を行っていて、一人で様々な仕事をこなすことができるのです。