専門家の声 ベトナム(バクニン省)

加藤 秀和 専門家
ベトナム(バクニン省)
派遣期間:2022年2月~2022年8月
指導内容:コントロールケーブル構成金具部品製造(NC技術)に関する指導

現地での生活について

私の派遣先企業はベトナムの首都ハノイから北東に位置するバクニン省、クエボ工業団地内にあり、主に二輪のコントロールケーブルの製造を行っています。6ヶ月間滞在し、NC設備の技術指導を行ってきました。

ベトナムの近況をお伝えします。まずコロナウィルスですが、今年の2月までは落ち着いていたのですが、3月中旬になって感染爆発が発生し、毎日人口の1%が新規感染する戦々恐々とする状況でした。5月以降は収束し、現在は普通に生活が出来るようになりました。毎日の新規感染者は日本より少なくなっており、マスク着用もしている人が少ない為、気軽に渡航しやすい状況になっているのではないでしょうか。今年はベトナムの気候もとても不安定でした。10年に一度の記録的豪雨というフレーズが何度もニュースで出ており、私が滞在していた北部地域でも度々冠水が発生していました。冠水時は工業団地内の主要道路が深い所で50cm程冠水しており、バイク、自動車共に浸水を避ける為に工業団地内への侵入を諦めている状態でした。時間に余裕を持って行動する必要があると思いました。

ベトナムはフルーツ天国と呼ばれ、果物が沢山栽培されています。ライチ、マンゴスチン、ランブータン、ドラゴンフルーツ、ドリアン等、日本では全て高級ですが、私の派遣先企業では10時、15時の休憩時にみんなで食べる程安く購入する事が出来るとの事でした。私がおすすめする果物は『ミト』です。ゴムとドリアンが混ざったような強い匂いがしますが、バナナとライチを混ぜたような甘酸っぱい味がしてとても美味しいと思います。日本では食べられない果物ですので是非食べて欲しいと思います。

日常生活においての注意点

ベトナムはコーヒーが有名です。
ベトナムコーヒーは抽出方法が特殊な為、味がとても濃く、コンデンスミルクが大量に入ったトロミのあるミルクコーヒーである事が特徴として挙げられます。ベトナム語で『カフェ スア ダー』と言います。

私の派遣先企業のあるバクニン省は、ベトナムでもカフェが多い省です。私はコーヒーが好きな為、よく休日に飲みに出かけていました。ベトナムには飲食店が沢山ある為、ベトナム人はお客が沢山いるか否かで商品の鮮度や味を判定して選ぶ文化があります。最初、私もこの法則でカフェを選んでいました。しかしある時、急性胃腸炎になり入院してしまいました。コーヒー以外に飲食していなかった為、コーヒーの中の氷か、コップが不衛生だった為、急性胃腸炎になった事になります。

やはり衛生管理が優れた日本で育っている日本人は、ベトナム人が沢山いる店でも安心して飲まない方が良いのだろうと、自分が入院してからも引き続き繁盛している店を見て感じました。
衛生面以外でも注意すべき点がぼったくりです。

昔に比べると減っていますが、外国人で言葉が分からないと判断されると本来より高い金額を伝えられたり、おつりを少なく渡されたりします。外国人のようなお金がある人からは多く貰っても良いという考え方が少なからずあるようです。ベトナム語で少しでも会話すれば、ぼったくられるリスクは減るようなので『カイナイ バウニューティエン?(これはいくらですか?)』等、話が出来ると良いかと思います。

バクニン省のカフェにて

当寄稿は2022年8月24日発行の「AOTSメールマガジン No.147」で配信されました。