専門家の声 タイ

長田 雅史 専門家
タイ
派遣期間:2019年10月~2019年11月
指導内容:精密板金の曲げ加工及びプログラミングに関する指導

現地スタッフとのコミュニケーション

私にとっては、今回が初めての派遣先企業への訪問でした。海外へ行くこと自体も初めてであり、派遣前から、タイ語ができずに本当に指導ができるのだろうかと、ずっと不安に思っていました。念のため、携帯式の翻訳機も持っていきましたが、「指導する時に一番必要になるよ」と教えられた挨拶と数字をタイ語で話せるように、派遣初日に猛特訓しました。

指導は現地スタッフのスキルレベルの確認からスタートしましたが、指導を進める過程で、日本語がわかるタイ人スタッフやタイ語が話せる日本人の赴任者に助けてもらう機会がどんどん増えていきました。そうする中で、自分からもコミュニケーションを取るようにしないといけないという思いを強く抱くようになりました。

現地スタッフと

そこで、初日にタイ語の数字の特訓をしたことを思い出し、覚えたタイ語の数字とジェスチャーを使い、コミュニケーションを図りながら指導してみたところ、相手のタイ人スタッフはとても喜んでくれて、彼らとの親交を深めることができました。たとえ下手な現地語であっても、自らコミュニケーションを取ることの大切さを痛感しました。

現地スタッフとの交流

タイの人たちはパーティーなど、皆でお酒を飲んだりしながら交流する場が大好きです。今回、私が専門家派遣で訪問するということで、指導先企業ではわざわざ仕事終わりに歓迎会を開いてくれました。

タイでは、カラオケのある広い個室で、テーブルいっぱいの料理を注文して、たくさんの料理を囲みながらカラオケで盛り上がるのが団らんスタイルのようです。そのため、タイの街はカラオケ店であふれています。

歓迎会の最初は、料理を楽しむ人、カラオケで歌を歌って場を盛り上げる人がそれぞれいて、そこは日本と変わらないと思っていました。ところが、終わりに近づくにつれ、全員参加のカラオケ大会に自然に移行していき、そうしたところに日本との大きな違いを感じました。

歓迎会の様子

現在の日本では会社で定期的にパーティーを催したり、旅行をしたりするというのはなかなか無いことですが、タイでは、こうしたイベントを定期的に行い、人と人とのつながりを強めることを大切にしています。このような文化を、自らその場に参加することで肌で感じることができ、大変嬉しく思いました。

タイは本当に「微笑みの国」であると実感しました。

 

当寄稿は2020年2月19日発行の「AOTSメールマガジン No.108」で配信されました。