Contents 1. 就業規則 |
ミャンマー 電力関連事業
Ms. Thuzar Win
1. 就業規則
当社の就業規則には「解雇」についての条項が明確に記載されており、雇用の開始と共に従業員に就業規則に関心を持つように指導している。 就業規則は、しばしば変更されるので、回覧や電子メールによって変更内容が通知される。
就業規則第3条では規律事項について定められており、全従業員はこれらに従わなければならない。 第3条4では、第3条で述べられた1つ以上の事項について従わなかった従業員は解雇を受け入れなければないと定められている。
第3条には3つの区分があり、全従業員が守るべき指針が説明されている。
第3条1 労働倫理の原則
第3条2 説明責任の原則
第3条3 職務態度の原則
2. 懲戒規定
第3条1の違反については当事者とのミーティングと議論によって解決される。 再度、違反を起こした場合の処置について説明され、該当従業員に警告や注意がなされる。
第3条2および3の違反については、企業の評判、仕事の生産性やワークチーム全体に関連する事柄であるため、さらに厳しい決定となる。 この違反に対する懲戒処分には、厳重注意、昇給および賞与の削減、昇進の取消し、そして即時解雇がある。
3. 当社における「解雇」の事例
1) 1人目の従業員はプロジェクト・コーディネーターであり、上司からの指示を受けていたが、指示に従わなかった。 彼の行動によりプロジェクトは遅れ、予算を膨らみ、質は悪化した。 また、チームの結束が緩み生産性が低下した。
2) 2人目の従業員はプロジェクト・マネージャーで、ある程度の権限、十分な予算そして適度な人的リソースを有していた。 彼は当社で3年以上の勤務経験があり、取締役会や上層部から信頼を得ていた。 解雇の理由は利害の対立であった。 彼は自分の権限や会社のリソースを私的な関心事に使用し、経営陣に断じて口外しないように部下を脅し、隠ぺいした。 そうした行為が経営陣に発覚し、彼は過ちを認め、自らの意思で希望退職をした。
3) 3人目はプロジェクト・エンジニアであった。 彼は、ミャンマーのある大手企業が主催する技術研修に出席することになっていた。 参加者は他社からも合わせて約25人の技術者がいた。彼は上司と共に研修に出席するため派遣された。 研修終了の2日前、当社は大手企業の研修管理者から、当社の従業員1人が通知せずに研修を欠席したことについて説明を求めてきた。 当社の人事部はその従業員と連絡を取ろうとしたが、彼の携帯電話の電源は切られていた。 研修の最終日、彼は施設に戻り出席した。
当社はお詫びの手紙を大手企業の研修管理者に送り、同様の事例が将来、決して起こらないようにすることを確認しなければならなかった。 その従業員との議論の間、彼は自分の行動がプロ意識に欠けることを認めたが、研修から離れていた明確な理由を述べることができなかった。 我々は彼に対して第3条4による希望退職を強く求めた。
4) 4人目は警備員として勤務した契約社員であった。 彼は日曜日に建物外の監視カメラの1つに布を被せ会社の規則に違反した。 我々は彼の親会社に連絡し、その会社は警備員を解雇する対処をした。
4. 解雇に不服のある従業員が労働裁判所に訴訟を起こした場合の対処
当社では全従業員に対して公平に待遇しているという確信があるが、社内での懲戒処分は厳格に行なわれる。 しかし当社では従業員を残留させる案が適用できないときに、最後の手段として退職や解雇を適用する。 従業員には課された懲戒処分に対して不服申し立てをする権利がある。 もし当社が労使紛争を解決するために労働機関を通して出廷する場合、当社は現行のミャンマー労働法に応じてその従業員と対峙する準備をする。
ミャンマーの紛争解決法よると、従業員は従業員代表2名および雇用者代表2名からなる紛争解決委員会を内部で立ち上げ紛争を解決しなければならないとなっている。 委員会の期限は最長1年間である。 決定に不服があれば、従業員はさらに地方レベルの紛争解決委員会に訴えることができる、その上は国家レベルの紛争解決委員会となる。 国家レベルの紛争解決委員会では当事者全員が出席し法廷で解決がなされる。 当社は上記の紛争解決プロセスに厳格に従って労働訴訟を解決している。 当社が懲戒事項について下す処分は国家の労働法および紛争解決法に従っており、当社の決定や処分は法的に受け入れられるものであると確信している。