インドのTVS Motor Company ltd.による職場環境改善と労働安全衛生管理
Regunathan Rammohan、
TVS Motor Company Ltd. (TVSM)
TVS Motor Company Ltd.(TVSM)は、2輪車、3輪車、および自動車部品製造におけるインドでのトップメーカーの1つである。
1979年に設立されたTVSM社は40億米ドルの資産を持つTVSグループの一社で、優れたTQMを用いてあらゆる顧客が満足できるように尽力し、すべての自社製品にわたって顧客にとって最良の価値を提供するように努力し続けている。
こうした活動により、TVSM社は一般財団法人日本科学技術連盟(略称:日科技連)よりデミング賞を受賞している。その他にもTPM、TS 16949、ISO 14001およびOHSAS 18001の認証を受けている。TVS-M社は、11,500人の従業員の力を結集し、すべての事業活動とサービスにおいて労働安全衛生に関する配慮をくばる重要性を認識している。
従業員の労働安全衛生を確保するため、TVSM社は安全な職場環境を提供し、職場での労災予防に努めている。長年にわたり、労働安全衛生に関連する職場環境の改善を実施しており、それにより労災の発生を防いでいる。
上記を念頭に置き、TVSM社は様々な対策を実施している。職場環境及び労働安全管理に分野における主な改善点には以下のようなものがある。
・人間工学に基づく職場改善を実施するための低コスト自動化
・職場環境の改善
・恐怖体験を伴うシミュレーター機器を使ったトレーニング
・新しい機器/レイアウト-変更管理
・契約労働者(非正規労働者)の管理
・行動に基づく安全監査
人間工学に基づく職場改善を実施するための低コスト自動化
職場で疲労を感じることなく容易かつ迅速に作業を実施できる職場環境を提供するため、人間工学に基づいた職場改善を実施した。
この改善の重点は実際に働く従業員の快適性に基づいて考案された低コスト自動化におかれている。そのサンプルは以下の通りである。
改善前
改善後
作業環境の改善
実施済みの作業環境の改善の中には以下のものがある。
作業環境の他の改善
トレーニング及び契約労働者の管理
恐怖体験を伴うシュミレーターを使うトレーニングや労働許可教育、防火教育、応急措置、科学安全教育を実施している。トレーニングでは視聴覚教材を使用し、より刺激的に認識できることを重視していて、年間約7,333人が安全トレーニングを受けている。
契約労働者(非正規従業員)の安全管理も正規従業員と同様に扱う。トレーニングの終了後ガイドラインを渡しサインをもらうことで安全管理教育を実施した証明を残す。
行動に基づく安全監査
安全委員会のメンバーが行動の監査を実施する。この委員会は安全監査を以下の通りに行なう。
安全意識育成
ポスター、横断幕、キャンペーンなど
安全管理行動のチェック
体系的方法で定期的に安全管理行動へのチェック/モニタリング
リスク行動の時点、場所に対処する
積極的支援
安全に貢献する従業員に報償
一般的支援
危険な行動による影響を安全不履行者専用の安全冊子で示す
従業員が安全行動に従う気になるよう1対1の安全管理行動チェックを行う
安全行動に従うことを安全不履行者に約束させる
職場環境改善、労働安全衛生管理を実践することによる利点
様々な職場環境改善、労働安全衛生管理を実践する利点は、次のようにまとめることができる。
労災発生率の傾向が前年比で漸減
作業員のモラル改善
生産性の改善
2011~2012年度の間に工場1の拡張工事を行った。この工事では一般建築工事、機械組立/電気組立工事、試運転作業などの高リスクを伴う作業であったが、労災は一切発生しなかった
TVS Motor社はインド工業連盟(CII)南部地区で、職場環境、労働安全衛生管理多くの分野で優れたリーダーシップを発揮したとして、2011年に「第1位」の賞状を獲得した。
インドのニューデリーにあるGreentehFoundationより労働安全衛生管理においてすばらしい業績を収めたとして、「自動車部門での金賞(GOLD Awardin Automobile sector)」を受賞した。