経営者インタビュー

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『TSPKK Groupは連携のとれた泰日合弁企業の象徴』 ~タイの自動車部品製造会社役員に聞く

2018年11月20日(火)10:00

(Thailand/タイ)

 

Thai Summit PK Corporation Ltd. 

Mr. Vitedmytri Lekakul (Executive Vice President)

Thailand

 

AOTSが提供する研修プログラムには、新興国を含む海外諸国から多くのビジネスパーソンが参加しています。対象参加者の職位は研修プログラムによって異なりますが、経営者層に向けたプログラムも提供しています。

 

今回は、タイにて自動車部品を製造する会社の役員にお話をうかがいました。

泰日合弁企業

Thai Summit PK Corporation Ltd.は、タイの大手自動車部品製造企業であるThai Summit Autoparts Industry Co., Ltd と、シャシーフレームやアクスルハウジング等の自動車部品製造を手掛ける日本の大手企業、プレス工業株式会社との合弁企業であるThai Summit PKK (TSPKK) Group のグループ会社です。
 
TSPKK Groupは、タイで1989年に設立されて以来、1トンピックアップトラック(積載量1トン)用のシャシーフレームやアクスルハウジング等の部品を製造しています。国外販売が60%で、国内販売は40%です。現在、直接輸出と間接輸出を合わせて、約119カ国に対して当社の製品を輸出しています。
 
当社は、自動車工業地域に子会社4社を構えており、三千人以上の従業員がおります。三菱自動車工業、日産自動車、いすゞ自動車、日野自動車、Ford、General Motor、Dana Spicer等、ほとんどの大手自動車メーカーと取引をしています。

協力して最善のソリューションを見つける

当社の経営方針は、3つの主な目標に焦点をあてたThai Summit Groupの方針に基づいています。
  1. 強靭なビジネス:継続的成長、堅調なキャッシュフロー、適正な利益
  2. 持続可能な組織:競争力のある継続的再投資、強い企業文化、社員の権限、効率の良いシステム、生産性の向上
  3. より良い社会:平均額以上の報酬、Thai Summit Pattana財団を通じて、また関連の法的要件を満たすことによる社会への貢献

 

TSPKK Groupのビジョンには「我々は、世界クラスのシャシーフレームおよびピックアップトラック用アクスル製造業者である」とあり、企業文化は「常に向上心を持った素晴らしいチームワーク」です。市場で海外企業と競うには、我々の最大の任務であるSQCD(Safety, Quality, Cost Competitiveness and Customer Satisfaction, and Delivery=安全、品質、コスト競争力、顧客満足、納品)を最重視せねばなりません。当社には、この任務を達成するために、2つの目標(財政および顧客満足に関する目標)と2つの戦略(業務戦略および海外展開戦略)に焦点をあてた中期計画があります。

 

我が社の人材育成方針は、会社の海外進出を促進させ、将来の経営後継者となるような人材を雇用し、育成し、保持することです。また、各分野において社員の能力や機能を引き出すことでスペシャリストに育てていくという試みもおこなっています。また、キャリアパス(能力開発の道筋)構築やタレントマネジメント(能力育成)にも取り組み、各経営レベルにおける後継者を育んでいます。

 

私達は、会社と社員のことを自分の家族だと思っています。会社は、社員がいなくては存続することが出来ませんし、社員もまた仕事が必要です。ですから、常に協力し合い、会社を成長させるための最善のソリューションを見つけるのです。これが、当社の従業員管理の基本概念です。会社はいつも社員の味方であり、社員の家族も含めたより良い共同体づくりを目指して社員の能力、安全、環境を向上していくということを、社員に認識してもらっています。社員がビジネスに携わって生まれる大きな利益こそが、会社の目標なのです。

タイは生産量一位

タイは、東南アジアにおいて1トンピックアップトラックの生産量が一位です。マーケットシェアは、生産量全体の約60%を占めます。しかしながら、我々は、近い将来タイ国内のマーケットは飽和状態になると予想しています。また、大手のOEM(Original Equipment Manufacturer)取引先のほとんどは、さらなる投資目的や税金優遇などのため国外の製造業者に委託先を特定しつつあります。よって、TSPKK Groupも南アフリカや北アメリカなど海外へのビジネス展開を試みているのです。
 
現在は、ハイテクノロジーを駆使した製造プロセスを有する、直接的または間接的な海外の競合業者が多数存在します。これらの海外競合業者と競うため、5年中期計画の達成を目標として作成された年間計画を常に見直すようにしています。必要であれば、生産性の向上のためのフルオートメーション化、最新テクノロジーによるプロセス、機械、装備などへの再投資も行います。現在、業務戦略として、オートメーション化をシステムに導入し生産量を増やし品質を向上させることを試みています。

経営陣は海外研修プログラムに参加するべきである

TSPKK Groupは、連携の取れた泰日合弁企業の象徴です。
 
現在、当社の製造ビジネスにご協力いただける優れた海外企業を探しております。エンジニアとしての技術と製品に関するノウハウは、成功へのカギとなります。海外ビジネスを成功させるには、エンジニアの経営陣が海外研修プログラムを受け、自社の人材育成に役立てるべきであると思います。
 
タイの企業とビジネスをする時は、知っておいた方がよい事がいくつかあります。タイは、笑顔の国で、仏教徒が大半を占めます。常に礼儀正しく、他者と良好な関係を築くために敬意を表します。人に出会うとまず、手を合わせて軽くお辞儀する”WAI”という挨拶をします。タイでは、名刺は右手または両手で渡します。名刺をもらったら、目を通した上で丁寧な一言を言い添えると、印象が良くなります。タイ人は、一般的にポジティブです。他者に対して常に協力的で、必要な時は、追加作業にも労を惜しみません。

将来に活かせるチャンス

日本には、もう30回以上も訪れました。未だに、タイと日本とではインフラの違いがあることに気付かされます。日本人は、信頼することが出来て、仕事に対する責任感がとても強いです。
 
今回、企業経営を学ぶためにAOTSプログラムに参加しました。会社の目標を達成するために、このプログラムを通して学んだことを自分の会社に持ち帰り、設計、企画し、業務にいかしていくことが大事だと思います。
 
このチャンスを活かして、将来のビジネス拡大へとつなげたいです。
 
ありがとうございました。