ネパール・フィンテック産業のパイオニア‐電子商取引をすべての人に ~ネパールでソフトウェア開発を行うICTサービス会社CEOおよびオンライン決済代行会社CEOに聞く(2/2)
2018年3月16日(金)10:00
(Nepal/ネパール)
※本記事は2回に分けて掲載します。
本記事は第2話の掲載分です。
<第1話はこちら>
eSewa Fonepay Pvt. Ltd.
Mr. Subhas Sapkota (CEO)
Nepal
F1Soft International Pvt. Ltd.
Mr. Subash Sharma (CEO)
Nepal
AOTSが提供する研修プログラムには、新興国を含む海外諸国から多くのビジネスパーソンが参加しています。対象参加者の職位は研修プログラムによって異なりますが、経営者層に向けたプログラムも提供しています。
今回、ネパールにてソフトウェア開発を行うICTサービス会社(F1Soft International Pvt. Ltd.)のCEOおよびオンライン決済代行会社(eSewa Fonepay Pvt. Ltd)のCEOのお二人にお話をうかがいました。
斬新なアイディアを持つ多数の若者が出現
- 仕事に対してのんびりで時間を気にしない
ネパール人は、仕事に関してはのんびりで、締切日などを気にしません。生産性を上げることが常に課題となります。 - 会社に対する忠誠心は低く対価を最重視する
会社よりも給料を最優先します。より高い給料のためであれば、迷いなく転職をします。 - トップダウン経営
ほとんどの企業が、トップダウン経営です。 - 利益重視
ほとんどの企業は、利益を重視します。一般的に、企業のパフォーマンスは利益をもとに評価されます。
Sapkota氏:マイナスな面はありますが、プラスに転じる部分もあるのです。
- 政治が産業と労働力に与える影響
20年もの間、政治が不安定なため、労働者や産業は明らかに影響を受けています。ほとんどの大手製造業者は、ストライキや頻繁な閉鎖のため廃業に追い込まれてしまいました。 - 新生企業や起業家の増加
プラスな面としては、過去2年間で、ネパール国内には斬新なアイディアを持って新生企業を立ち上げる若者が増えてきました。これはネパールのビジネス界の魅力となる部分です。
-そのような状況においてどう人材を育成されるのですか?
Sharma氏:会社の習慣として、我々は常に全レベルのスタッフの声に耳を傾けるようにしています。社員には新しい情報、経験、アイディアは通例ミーティングにおいて全スタッフ間で共有し、自ら考え行動を起こすように促しています。先ほども触れましたが、社員には定期的に専門家による研修を受けさせることでスキル向上も目指しています。さらに、チームワークを向上させることも大切にしています。定期的にチームを組んでフットサルやクリケットなどのスポーツをすることで、良い人間関係を保ち活動的でいられるように健康を維持しているのです。
Sapkota氏:私の会社では、全マネジメントレベルにおいて、この業界では最高の対価を支払っています。また、若い有能な社員には、短期間でリーダーになれるよう励まし、彼らの職務を心から楽しめるようなチャンスを与えます。職場環境もまた、楽しく刺激的であるべきです。会社の習慣として、常にオープンで、リフレッシュメントや祝賀イベント等も大切にした活気ある職場づくりと維持に努めています。
ミャンマー、バングラデシュ、カンボジア
- 電子金融サービスにとって新興の潜在市場を見つける
- 金融取引に役立つ新製品・新技術を開発しイノベーションを起こす
- 経済ピラミッドの底辺に到達する技術。顧客数をより多く増やすために、末端の庶民レベルまで手をのばす必要があります。
モバイル通信は、全国の隅から隅まで届くことの出来る唯一の技術的ツールです。この技術をもとに、F1Softは、モバイル商取引サービスを提供して約250万人のネパール国民に金融包摂をもたらし金融サービスへのアクセスを可能にしたパイオニアなのです。現在、市場において我々はリーダーであり、類似したサービスを提供している競合者はほとんどいません。モバイル商取引サービスは、将来性を秘めており、国内外の投資家からはこれからも注目の的となっていくでしょう。
社員は重要なステークホルダー
-日本の印象をお聞かせください。
Sharma氏:日本では、大変印象に残る経験をしました。私たちが受けたおもてなしと日本人の謙遜にはとても感動しました。皆、とても協力的でした。
日本の会社で驚いたことは、マネージャー達が社員を大切にしていることです。社員は全員、組織にとって大切なステークホルダーとして扱われていました。社員のやる気を高め奨励する方法は非常に独特でした。人々が時間を大切に守るところや常に向上心を持っているところが興味深かったです。
完璧な製造システムを有するトヨタのような会社でも、さらなる向上を目指し、社員に新たなアイディアを生み出させるようなプロセスやシステムに改良し続けているところを見て非常に驚きました。
ありがとうございました。
※本記事は2回に分けて掲載します。
本記事は第2話の掲載分です。
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