専門家の声 タイ(バンコク)

白井 秀明 専門家
タイ(バンコク)
派遣期間:2024年10月~2024年11月
指導内容:建物設備メンテナンス業の施工技術および省エネ等提案力に関する指導

現地でのコミュニケーション

AOTSのジュニア専門家派遣として2ヵ月間の派遣指導を行いました。

タイは「微笑みの国」と言われるイメージのとおり、とても友好的な国民性で、皆が挨拶をしてくれます。日本と同じで挨拶をしてくれるのは気持ちが良いと感じました。また、ウェルカムパーティーを開催してもらったり誕生日を祝ってもらったり、イベントが好きな印象です。私自身お酒が好きなので、よく誘ってもらい楽しい時間を過ごしました。しかし、仕事や買い物となるとやはり言葉の壁にぶつかります。最初の頃、タイ語は雑音にしか聞こえてきませんでした。英語も皆が話せるわけではなく、通訳アプリが必須な状態でした。

最終的には、ゆっくり話してもらえれば多少の単語は聞き取れるようになりましたが、会話は難しい状況でした。しかし、同じ人間なので、絵を書いたり雰囲気から理解したり、いろいろな方法でコミュニケーションを図ることはできます。

ウェルカムパーティーを開いてくれました。

派遣期間中に私の誕生日があり、
祝ってもらった際のケーキ
※「HBD (Happy Birth Day). Shirai San!」
とデコレーションされています。

グローバル人材として必要な経験や知識の習得

弊社の仕事は、朝会社から客先工場等に出向き、部品交換機器のクリーニング、機器の更新をする流れとなっています。

仕事中に指導先企業のタイ人スタッフに進捗状況を聞いて確認すると「大丈夫!」「OK!」という言葉がすぐに返ってきます。・・・が決して鵜呑みにしてはいけません。「大丈夫!」「OK!」は彼らの口癖のようになってしまっているので、都度エビデンスを確認しなければしっかりした正解にはたどり着けません。

また、指導しようにも日本語からの変換がうまくいかないからか(ニュアンスが違う?)、指示通りに動いてもらうためにはかなり苦労します。絵を書く、チェックリストを作成する、作業詳細の指示(何時までに何をする)等、細かい指導が重要になってきます。

作業の事前準備にしても同様です。準備して現場に到着して作業開始!・・・となった時に部材が足りない、部品が違うと言う様な事はかなりありました。準備するための事前打合せや、準備した物の再確認が重要です。

OJT指導 洗浄作業中

禁酒日

先程も書きましたが、お酒好きな私にとって辛い日があります。「禁酒日」です。

タイでは仏教にちなんだ日など、年に5日程度禁酒日があります。今回2ヵ月間の指導期間に1日禁酒日に当たってしまいました。気付いたのは当日の昼休み。外では終日アルコール類の販売が規制され、当然レストラン等でも飲むことは出来ません。ストックしてあるビールを家の中で飲むくらいです。事前に知っていればもっとストックしておいたのに!となってしまいました。

また、禁酒日ではなくても、アルコール類を販売できる時間が決まっています。11時~14時、17時~24時しか購入は出来ません。なぜこのような法律があるかは諸説あり。(法律が作られた当時)公務員が昼休みからお酒を飲み出し、午後は仕事にならないという状況が続いたため、対策として制定されたという説(※)も…。

(※) タイ生活情報サイト<https://www.wisebk.com/839-4/> より

当寄稿は2025年1月22日発行の「AOTSメールマガジン No.186」で配信されました。